現在、宿泊業の業態でネパール人などの外国人を雇う場合、a)特定技能ビザでの雇用か、b) 技術人文国際ビザでの雇用が一般的です(アルバイトを除く)。
しかし、結論から言って技術人文国際ビザで雇用する方が特定技能ビザの宿泊で雇用するより、企業様に取って、そして外国人側にとっても圧倒的にメリットがあります。

① 技術人文国際ビザでの雇用を希望する外国人の数は、特定技能ビザでの雇用を希望する外国人より、圧倒的に数が多いこと

外国人が、技術人文国際ビザにて日本で就労すると、希望すれば配偶者を日本に呼び寄せることが出来ます。片や特定技能ビザでは配偶者を日本に呼び寄せることが許されていません。
来日を希望している一番のボリュームゾーンのネパール人など外国人の年齢は、25-35歳ぐらいで、多くは結婚しています。
そんな若い時期に、配偶者を祖国に5年も置きっぱなしにして、日本に来て働きたい外国人など滅多にいません。

また、特定技能宿泊の評価試験が、なぜか外国でほとんど受けられないことから、そもそも宿泊分野の候補者があまりいません。ですので、特定技能ビザで現在日本にいる外国人は、①結婚していない、もしくはすぐに結婚する予定がない、②仕方なく特定技能で来ている、これらのどっちかです。

従い、企業様にとっては技術人文国際ビザの方が、圧倒的に多くの人材から、選ぶことが出来る、といえます。

② 登録支援機関に月々の管理料を支払う必要がない

特定技能ビザで外国人を雇うと、企業は登録支援機関に毎月管理料を支払わなくてはなりません(通常1人あたり2-3万/月)。

ネパール人など多くの外国人を雇用している大きなホテル・旅館様では、自社で登録支援業務を行うことも可能です。しかし、四半期ごとに入管に定期報告書を提出する必要がある等、作業は煩雑です。
これに対して技術人文国際ビザで雇用すると、登録支援業務は必要ありません。
外部の登録支援機関に毎月の支援料を支払う必要もなければ、自社内で登録支援業務を行う必要もありません。したがって、雇用コストが相当安くつきます。

③ 最初にビザがおりるスピードが比較的早い

特定技能ビザは宿泊以外にも、介護、外食、農業、建設と多岐に渡ります。
各入管の職員の数は限られているのに、申請数はどんどん増えているので、結果的に審査期間が相当伸びています。
一番混雑が激しい東京入管の場合、直近で6-8ケ月程度のの審査期間です。

片や技術人文国際ビザの審査期間は、東京入管でも2-3か月程度と、半分ぐらいの期間で結果が出ています。(時期、管轄番所により変動)
ですから、求人してから、実際に配属されるまでの期間が技術人文国際ビザの方が一般的にだいぶ早いと言えます。

外国人が長くいることが出来る

現在のところ、特定技能ビザは期間が5年までとなっており、更新が出来ません。(延長が可能なように議論中です)
しかし、技術人文国際ビザであれば何度でも更新が出来、ずっと日本にいることが出来ます。

レベルが高い人達が多い

技術人文国際ビザの申請対象になる人は、1)日本の専門学校か大学を卒業した人、2)海外の大学を卒業した人、のいずれかです。
片や特定技能は、学歴に関係なく、1)日本語試験N4にパスした人、2)特定技能宿泊評価試験に合格した人、となっています。

このため、一般的には、技術人文国際ビザの候補者の方が、よりレベルが高い人達が多いのが現状です。

ビザは1年ごとの更新で、最長5年まで。
<その後の更新は今は不可ですが、現在延長(特定技能2号)に向けての論議なされています>

  • 配偶者(家族)を日本に連れて来られること
  • ビザ更新すれば、ほぼ永久に日本にいられること

やはり配偶者を日本に連れて来られる、というのは最大のメリットのようです。
自分が働き始めてから、約2か月後には配偶者用ビザの申請が出来、その後約6カ月程度で許可がおりるケースが一般的です。

このため、働き始めてからだいたい1年以内には配偶者を日本に連れて来て、一緒に生活することが可能となり、外国人にとって大きなモチベーションアップにつながっています。

また、一緒に生活することが出来ると、精神的に安定するだけでなく生活面も安定する側面があります。なぜならば、配偶者は週28時間までのアルバイトを許されています。
そのため、ほとんどの外国人家庭では、「本人の給料+配偶者のアルバイト代」の2本立てで生計を立ているため、生活レベルが向上するからです。

技術人文国際ビザで働く外国人が配偶者を連れてきて、一緒に生活を始めると、会社や地域に対する定着率も増す傾向にある、という嬉しい副産物もついて回ります。

さらに、配偶者を週28時間のアルバイトとして本人と一緒に雇う宿泊企業様も結構あり、その場合さらなる人材確保につながります。